GHQの要請を受けて、1948年に小型高級カメラ、ニコンカメラ初号機「ニコンI型」が発売されました。ニコンカメラの歴史の幕開けです。
・ニコンSシリーズ
ニコンブランドの礎となったレンジファインダーカメラの系譜「ニコンSシリーズ」。純正のSマウントレンズと135フィルムを使用していました。
1948年発売の初号機ニコンI型・ニコンM・ニコンMSを経てニコンSへ。その後はニコンS2・SP、そして1959年発売のS4を最後にこの種類のカメラの開発は終了しました。1954年に発売されたライカMの性能に及ばず、競合していたキヤノンPに価格競争で負けた結果でした。
ニコンSシリーズの開発が終了すると、入れ替わるようにニコンカメラ第二世代が登場しました。
・ニコンFシリーズ
ニコンカメラ第二世代として登場したのが、1959年発売のフィルム一眼レフカメラ ニコンFです。ニコンSPをベースにミラーボックスを内蔵した設計で、視野率100%のファインダーを搭載しました。交換レンズのマウントはFマウントであり、ニコンではデジタル一眼レフの登場以降現在に至るまでFマウントを採用しています。レンズ付きで6万7千円と7万9,300円の価格でした。
プロ用一眼レフカメラとして開発されるF一桁機は非常に頑丈で高性能・高画質を誇り、その流れは名機F3を経て現在もフィルム一眼レフカメラのF6やDシリーズに受け継がれています。高い技術力と人気を誇ったF3の発売時価格は13万9千円でした。
1960年になると、ニコン一眼レフの歴史に初めて低価格の中級機~下級機が登場します。
・ニコレックスシリーズ
低価格化のため、レンズを固定式に変更したり、すべて外注生産で試みたりしました。国内での評判がよくなかったため、やがて交換式Fマウントレンズ・自社開発生産に戻されることになります。発売時の価格は約2万3千円でした。
・ニコマートFT/ELシリーズ
ニコン初の絞り優先AEシステムや電子シャツター制御など最新技術が導入されました。Fマウントの交換レンズを使用でき、シリーズとおして6万円以下の価格が設定されていました。輸出モデルの名称はNikkormat。
・ニコンFM/FE/EMシリーズ
ニコン一眼レフの歴史でもっともコンパクトなボディをもつ種類です。EMシリーズは最初こそ下級機としての仕様で設計されましたが不評でした。それ以後はフルスペックとなり、現在のエントリー機もフルスペック搭載の流れにつながっています。
ニコンFMの発売時価格は5万7千円で、F一桁機に比べて安価でしたが、丈夫で精度の高い機種でした。
・ニコンF三桁/二桁シリーズ
オートフォーカス機能が本格的に採用された中級機シリーズです。フィルムの巻き上げモーター内蔵・フィルム感度自動設定など自動化が導入されました。1986年に最初に発売されたニコンF-501の価格は8万9千円でした。
・プロネアシリーズ
APSフィルム用一眼レフカメラです。女性用最軽量モデルも作られましたが2機種のみの発売にとどまりました。2012年にAPSフォーマットのフィルム規格は終了しています。
ニコン一眼レフにデジタル化の波が押し寄せます。それまでの低価格中級機での失敗を踏まえ、デジタル一眼レフカメラの初号機はプロ用高級・高性能カメラとして設計されました。
・ニコンEシリーズ
1995年に発売されたニコン初のデジタル一眼レフカメラシリーズです。富士フィルムとの共同開発によるもので、価格はシリーズ全製品とも100万円前後という高額なプロ用のカメラでした。縮小光学系を内蔵したことで大型になりました。DシリーズD1の登場でEシリーズの開発は終了します。
・Dシリーズ(D一桁シリーズ)
初号機はプロ用途のD一桁シリーズ D1であり、1999年に発売されました。非常に堅牢なF100/F5をベースにしたボディと高性能、APS-Cサイズ(DXフォーマット)のイメージセンサーを搭載し、65万円という価格で他社製品を凌駕しました。D3以降、フルサイズ(FXフォーマット)を採用しています。
・Dシリーズ(D二桁~D四桁シリーズ)
最新技術を搭載したD1でニコンのデジタル一眼レフの地位が確立すると、2002年にDXフォーマット採用のハイアマチュア向け中級機、D三桁シリーズD100が登場します。ハイスペックでボディの小型化を図り、30万円の価格で販売されました。
初心者向けのD二桁/D四桁シリーズの登場は2004年のD70からであり、以後D四桁につながっていきます。
・Df
Dシリーズとは別に2013年に企画・発売されました。ニコンFM/FE系の外観と操作感を受け継いだFXフォーマットの一眼レフカメラです。昔懐かしい外観をもつ高性能コンパクト一眼レフカメラです。
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