・筆と墨の使い方の違い
中国の掛け軸は力強い線と筆使いが特徴で、日本の水墨画は墨の滲みによる表現方法を使っています。中国の掛け軸は「筆重視」、日本の水墨画は「墨重視」という傾向が見られます。
・掛け軸の形状や長さの違い
中国の掛け軸は、掛け軸の両端に出ている部分の軸先が大きいものや軸先がないものがあります。また掛け軸を巻くときに手に持つ部分の表木が、横から見ると四角いものも多いのが特徴です。
掛け軸の長さも床の間にかけたときに「長過ぎる」場合は中国の掛け軸であるケースが多いようです。
・山や風景など自然をモチーフにした絵画
中国の山水画は山や川が禅の象徴として描かれているといわれています。山水画家による革新があり、平遠・高遠・深遠という遠近法が山水画に取り入れられ、山水画の全盛期を迎えます。
・イメージ上の山や風景が描かれている
山水画に描かれている山や風景は実際の土地にあるものとは異なり、イメージ上の景観が描かれています。
・中国の山水画の模倣から日本独自の水墨画へ
水墨画は墨の濃淡のみで描かれる絵画のことでです。水墨画が中国から日本に伝わったのは鎌倉時代で、禅宗と一緒に伝来し、禅宗の思想や中国の山水画の世界観を表現するものが多かったのですが、徐々に日本独特の山水画や花鳥画が多く描かれるようになりました。
・雪舟や狩野探幽、長谷川等伯らが日本独自の水墨画を確立
中国・明で絵画を学んだ雪舟や、雪舟に影響を受けた長谷川等伯、江戸時代に有名絵師として活躍した狩野探幽らにより、日本独自の水墨画が確立されました。
・中国の掛け軸は山や河川が多く描かれている
中国の掛け軸には禅の象徴として山や河川が描かれています。遠近法の技法がふんだんに使われ、風景がとしてではなく造られた山や河川が描かれているのです。
・軸先が大きく表木が四角い
掛け軸を巻くときや広げるときに手に持つ部分を軸先といいますが、中国の掛け軸は軸先が大きいです。また掛け軸の最上部につける表木が四角いのも中国の掛け軸の特徴です。
・床の間にかけたときに掛け軸が30センチ以上余る
掛け軸を床の間にかけたとき、長さが30センチ以上余る場合は中国の掛け軸である可能性が高いです。
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