古いおもちゃをコレクションしていると、どこかのタイミングでこの言葉に出会うはず。
裏側などに刻印されたオキュパイド・ジャパン(OCCUPIED JAPAN)という単語です。
Occupiedとは、占領された状態という意味。
つまり、MADE IN OCCUPIED JAPANは、占領下にある日本で作られた、という意味です。
日本が連合国軍の占領下にあったのは、敗戦後1945年(昭和20年)から1952年(昭和27年)の7年間です。
敗戦の2年後に民間貿易が正常化された際、輸出用の日本製品には「MADE IN OCCUPIED JAPAN」の表示が義務づけられました。つまり、1947年(昭和22年)から1952年(昭和27年)の5年間に輸出された日本製品が「オキュパイド・ジャパン製品」です。
省略して、「OJ」とか「MOJ」と呼ばれることもあります。
1949年(昭和24年)には、「オキュパイド・ジャパン」は表示は義務ではなくなり、「メイド・イン・ジャパン」での輸出が可能になりました。
「オキュパイド・ジャパン」は復興ムードに水差す、日本人にとっては屈辱的な表記。継続して作られていた定番商品は、同じ金型を使用してOCCUPIEDのままだった可能性がありますが、新しい製品を作るなら、OCCUPIEDの表記は使われなかったと考えられます。
最後の二年間に作られた製品は、表記が混ざっているので時代の特定が難しくなりますが、「オキュパイド・ジャパン」とあるものは確実に1947年から1949年の日本製品と言えます。
時代背景を滲ませる刻印に歴史を感じますし、輸出品なので国内には球数が少ない。そして、この「限定生産アイテム」なところがコレクター心をくすぐりますよね!
オキュパイド・ジャパン製品は、北米を中心に大変人気があります。日本でも、オキュパイド・ジャパン製品の専門コレクターが増加中。
わざわざ海外から取り寄せている方も多いです。
この逆輸入のオキュパイド・ジャパン製品はファンの間では「里帰り品」と呼ばれます。
この当時、日本が輸出用に生産していたのは、主に焼き物です。特に、人形のような置物が沢山作られました。実用的な食器類は欧米製品の独擅場ですが、中国や日本の焼き物はアートとして受け入れられていたからでしょう。
戦前から日本の陶器や磁器は世界に通用する最高級品ですから、これらが外貨を稼いで復興の礎になりました。
また、衣類やおもちゃも多く輸出されていました。戦後は物資が不足していたので、品質が悪いものもありますが、中には精巧に作られたブリキのおもちゃもあります。
オキュパイド・ジャパン製品のコレクターの中で、定番は焼き物ですが、おもちゃの人気は現在上昇中です。
お持ちの方はラッキー。思わぬ価格で売れる可能性があります!
大事な
お知らせ
査定をご希望のお客様はご一読ください