・水墨画の歴史
水墨画は墨の濃淡のみで描かれる絵画のことでです。水墨画が中国から日本に伝わったのは鎌倉時代で、禅宗と一緒に伝来し、禅宗の思想や世界観を表現するモチーフが多かったのですが、徐々に山水画や花鳥画が多く描かれるようになりました。
・水墨画の魅力
日本の水墨画は中国の山水画の模倣から始まり、日本独自の水墨画が確立されるまで長い時間を要しています。墨の濃淡と画面の余白で世界観を表現する技法は大変奥深く、観るものを作品に引き込みます。
・有名な水墨画家
中国で学び独自の水墨画を確立した雪舟、日本の水墨画家に大きな影響を与えた牧谿、江戸時代に活躍した狩野探幽などが有名です。
・日本独自の水墨画法を生み出した巨匠
室町時代に水墨画の巨匠として名を馳せた雪舟は、日本独自の水墨画を確立しました。禅と密接な関係がある水墨画は雪舟の作品にも表現されています。中国の明で水墨画を学んだ雪舟の画風は、力あふれる筆使いとバランスのよい構図に特殊しています。
・雪舟の代表作品
「秋冬山水図」「四季山水図巻(山水長巻)」「破墨山水図」「慧可断臂図」「天橋立図」「山水図」が国宝に指定されています。
・日本の水墨画界に最も影響を与えた水墨画家
牧谿は宋末元初の僧侶で、牧谿の水墨画は鎌倉時代に日本へ伝来しました。長谷川等伯など日本の水墨画家に大きな影響与え、その作品は織田信長、足利将軍などに所蔵されていたほどです。
・牧谿の代表作品
「観音猿鶴図」「煙寺晩鐘図」「漁村夕照図」は国宝に、「遠浦帰帆図」「平沙落雁図」「芙蓉図」「栗図・柿図」「羅漢図」「竹雀図」「竜虎図」「柳燕図」は重要文化財に指定されています。
・若き天才と評判が高かった水墨画家
狩野探幽は、わずか16歳で江戸幕府御用絵師に登り詰めた天才水墨画家です。探幽の水墨画は画面に余白を存分に残し、余白に景観の続きを連想させる技法が特徴でした。
・狩野探幽の代表作品
「義朝最期・頼朝先行供養図」「二条城障壁画」「名古屋城障壁画」「南禅寺本坊小方丈障壁画」「東照権現像」「東照宮縁起」「佐久間将監像」「大徳寺方丈障壁画」「四季松図屏風」「酬恩庵方丈障壁画」は重要文化財に指定されています。
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